• 開業を経験された司法書士様の
    体験談をご紹介いたします。


  • 亀田 朝恵 様
  • 『 司法書士てぃーだ事務所 』
  • ■開業地:大分県
    ■合格年度:平成22年 ■開業年度:平成26年
  • 開業後も頼れるネットワークがあれば安心!
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  • 司法書士を目指したきっかけは何でしたか?
  • 実は、特にあんまりないんですよ。元々は法律とか全然関係のない、英語関係の仕事をしてまして、大学もそちらの関係でした。結婚してからは、派遣で普通の事務の仕事をしてたんですが、やっぱり、もう一度、「真剣に何か資格を取ろう」と思ったんですね。

    いろいろ雑誌を見ならが検討してみました。多分、(資格を取るには)入口が狭い程、(その業界に)入ってから楽だろうと考えたんですね。それで、超難関試験とかいろいろと探してみて、最終的に司法書士を目指そうと考えました。ただ、決めたのが35歳位で、その頃から勉強しましたので、結構せっぱつまってました。とにかくこんなに難しいとは思わず・・・大変でした。
  • 大分のご出身ですが、当初勤務は沖縄でしたよね。
    少し経緯をお聞かせいただけますか?
  • はい。出身は大分ですが、九州ブロックの研修でたまたま沖縄の先生と出会ったのが(沖縄勤務の)きっかけです。そのご縁で、その先生の事務所で3ヶ月程研修させていただき、その後も勤務司法書士としてお仕事をさせていただきました。
  • その間は、旦那様と離れて暮らしてたんですよね。
    旦那さんは反対はしなかったですか?
  • 主人は、元々、結婚しても仕事を続けて欲しいという希望を持っていました。ですから、沖縄に行くといったときは、最初はさすがに驚いていましたが、最終的には賛成してくれました。私の仕事に対して、主人はとても理解があるので、そういう点では本当に恵まれていました。沖縄でそのまま司法書士を続けることも考えましたが、さすがにこれ以上、離れ離れの生活はできないなと思い、大分に帰ってきました。
  • てぃーだ事務所という名前の「てぃーだ」の由来を教えてください?
  • 沖縄で、「てぃーだ」は「太陽」という意味です。沖縄では屋号や施設なんかでポピュラーに使われている言葉です。大好きな沖縄とつながりのある言葉を事務所名に入れたいという思いがあったのと、「太陽」という意味が、周りを明るく照らすような素敵なイメージだったのでこの名前にしました。実際、沖縄に以前在住していたという書道家の方が来られて、今事務所に飾っている「てぃーだ」の書を書いてくださったりして、沖縄つながりが結構出来てます。
  • 去年8月に開業でしたよね。開業にあたり大変だったところはありますか?
  • 今もまだ大変ですよ。沖縄であれば、不動産会社や銀行の方とかで、顔見知りの方も結構いたので、開業の挨拶に行っても、少なくとも名刺はもらってくれたと思います。でも、大分に戻ってきてからは、そういうものが全然なくて苦労しました。不動産会社のネットワークとか、銀行のネットワークとか、そういったものを一から築き上げていかないといけなかったのが、一番大変でした。
  • 元々はもっと早く開業したかったんですか?
  • そうですね。事務所は5月位に賃貸契約したんですよ。内装とかもあまりあたる必要もなかったし、壁もきれいだったので、外装と入口のガラスドアの交換だけをして、多分1か月位で工事は全部終わると思っていたんです。それが、思いのほか時間と費用がかかってしまいました。でも、後見業務などお客さんの財産管理もする訳ですから、入口のドアのセキュリティ対策は、敢えて、時間もお金もかけてもやろうと思いましたね。
  • 開業のご予算的はどれくらい用意してましたか?ご予算通りでしたか?
  • 300万もあれば十分かなと思ってましたが、相当かかりました。車も買ったので。トータル600万円くらいかかりましたね。
  • 節約できるところは節約しようと考えたと思いますが、
    司法書士システムは導入しようと決めていましたか?
  • そうですね。前の沖縄の事務所で(“権”を)ずっと使い慣れていたので、今から雛形なしでやると、ミスしそうだと思いました。もし急ぎの案件に、自分が対応できなかったら、お客さんが離れていくかなぁと思いました。だから最初はがんばって、お金かけてでも、ソフトは入れようと思ってました。不動産関係は特に「権」を使ったやり方に慣れているので、オンライン申請などとにかく素早く処理ができて便利です。多分“権”なしで対応していたら、一から申請書を作成しなければいけないので、最初の申請とかとても時間がかかったんじゃないかなと思います。操作はかなり楽ですね。
  • これから開業をお考えの司法書士の先生にアドバイスがあればお願いします。
  • 私は、勤務経験を積ませてもらって本当に良かったなと思ってます。なので、即開業よりどこかの事務所で一度は実務経験をされた方がいいと思います。やっぱり実務経験があれば、過去にやったことのある案件や似たような案件の相談が来たときに、具体的なアドバイスができますし、すばやく対応できます。そうすると、そのままお願いしましょうかという話になったりしますので、勤務経験はとても大事だと思います。

    でも、開業していい点は、全ての物事を自分で決定できて、自分が好きなように仕事ができることですね。事務所の方針もどんな分野の仕事を積極的に受けるのかも全部自分が好きなように決定できるのでその点はとても楽しいです。ただ、やっぱり一人だと怖いっていうのはありますね。何年やっても判断に迷うときはあると思いますし、落ち込むこともあります。そんなとき、司法書士同士のつながりはとても大切です。もし実務経験がなくて独立するんだったら、困った時や悩んだ時に相談できる司法書士のネットワークを開業前から地道に作っておくことをお勧めします。

    研修などで、知識は学ぶんですが、いざ具体的にその業務をこなすとなると、どんな書面を作ればいいのかとか、文言はこれでいいのかとか、やってみないとわからない細かいことがたくさんあるんですよね。今でもわからないことともあるし、どんどん新しい仕事もあるので、やっぱり悩むこととか迷うこととかあるんですね。その時に相談できる先輩だったり、同僚だったりって本当にすごく助かります。

    開業すると、人とのつながりの大切さを実感します。司法書士同士のつながり、他の士業の方とのつながり、そしてお客さんとのつながり。開業すると大変なこともありますが、そういったつながりがどんどん増えていくのは楽しいです。これからも頑張っていいつながりを増やしていこうと思います。


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