• 開業を経験された司法書士様の
    体験談をご紹介いたします。


  • 斎藤 竜 様
  • 『 司法書士事務所リーガルエステート 』
  • ■開業地:神奈川県 ■合格年度:平成15年 ■開業年度:平成25年
    ■ホームページ:http://s-legalestate.com/
  • 「他の人と違うこと」を意識して、ヒトを全面にアピール。
    人に恵まれ3年で20名規模に!
  • もともとコンビニエンスストアでお仕事をされていましたが、
    司法書士になられていかがですか?
  • 単純におもしろいですよ。自分の裁量でいろんなことができるし、やり方次第で稼げますしね。コンビニ時代はホント残業ばっかりだったし、このまま働いても給料も大したことないし将来が見えなかったんです。
  • 平成25年2月に開業されてから3年。ずっと近くで見てましたが色々ありましたね。
  • 開業当初は2名で始めて、1年目で5名、2年目で15名、3年目に入ったところで17名と、一緒に働くスタッフは増えましたね。
  • なんかあっという間に大きくなっていった印象がありますが、
    開業当初から規模を大きくしようと決めていたのですか?
  • 最初はコンビニ時代よりちょっと稼ぐくらいでいいかなと思っていたんです。でも規模の大きな事務所の先生と話をしていると自分もやらなきゃなと思ってきたんですね。普段から極力自分より規模が大きい先生に会うようにしているんですけど、20名規模の先生、30名規模の先生、40名規模の先生と会っていく中で、この人に追いつきたい!と常に向上心が出ちゃうんです。いまの目標は50名規模の事務所にしたいと思っているんですが、それは50名規模の先生までしか会ってないからそこが目標なんですね。もし達成したらもっと大きな事務所の先生に会いに行きます(笑)
  • 開業されてからの苦労話や失敗談はありますか?
  • いっぱいありますよ、、、ここに出せないものも含めて(笑)

    ひとつめは、2年目に不動産業者の開拓に成功してたんですけど昨年(2015年)にその業者の経営方針が変わって、本社で一括して司法書士に依頼するようになって、そこの仕事が丸々なくなったことですかね。売り上げにすると年間2~3,000万円です。それは本当にきつかったですね。もうスタッフを解雇して事務所を小さくしたほうがいいんじゃないかと悩みました。でも頑張ってくれているスタッフのためにも死にもの狂いでやれることはやってみようと。自分のできることを見つめなおして、いろんなセミナーに参加して、これはという仕事の仕方をしている先生のところに弟子入りみたいに何度も話を聞きに行って、何とか補てんできるだけの仕事のやり方を見つけたってところです。

    ふたつめは優秀な資格者が2人辞めちゃったことですね。実はいま事務所の方針でスタッフ全員がWebや広告に顔を出してお客様に親近感を抱いていただくようにしているんですが、その方針と自分の考えをスタッフ1人1人に伝えたときに、どうしても納得してもらえず残念ながら辞めてしまいました。

    みっつめはやっぱりお金です。いま相続案件を中心に展開しているんですけど、案件は順調に増えてきたんですが現金化までがすごい時間がかかるんで資金繰りの問題ですね。案件はあるから売り上げは見込めてるんだけど手元にすぐに入らないんです。運転資金をやり繰りしないといけないのがちょっとつらいですね。
  • 開業してから、これがあったから自分は変わったという出来事は?
  • やっぱり不動産業者の依頼が丸ごとなくなったことですね。いまとなったら本当によかったと思いますよ。あの頃は自分には合ってなかったんですけど、飲みに行きましょうって飲み会に誘うとかしてましたからね。仕事をもらうためにって無理してたんですよね。でも完全に意識を変えて、川上に立つことで下請けより元請けになろうとしたことが大きいですね。
  • 仕事をするうえで工夫していることはありますか?
  • 他との差別化は徹底してます。司法書士って手続代行なので、普通にやってるとどうしても均一化するんですよ。そうすると値段だけの問題とかになっちゃうんですね。ですので、どんな仕事をするにもほかの事務所とは違う部分が出せないかというのをずっと考えてます。例えばうちではヒトを前面に出した販促を行うために、販促物を作る専門のスタッフを雇いました。相続なんかをメインにした個人顧客向けの広告はもちろんのこと、仲介業者、ハウスメーカー、金融機関などそれぞれターゲット別にヒト全面推しで広告を作っています。というのも、結局僕らの仕事って見える化しないと伝わらないじゃないですか。うちがどんなサービスをしていて、それがどんな結果となってというのをそれぞれのターゲットごとにわかるように作っているんです。ただ、司法書士の業務って結構アナログ的なところがあるので、最後はやっぱり人だと思ってるんですよね。お客さんの要望に対して何が提案できるか、どんな話ができるかというのが司法書士として知恵を絞る部分だと思ってます。
  • 開業するときの予算は?
  • 運転資金を含めて1,000万円ですね。もちろん融資が多いですけど(汗)予想外に掛かったのは事務所の賃貸費用です。部屋を借りる感覚だったんですけど全然違うじゃないですか(笑)
  • システムを導入しないで開業する選択肢もあるなか、
    なぜ当初からシステムを導入したのですか?
  • それはもう、一から書式を揃えたり管理の仕組みを考えたりする時間より、どんどん営業して仕事を見つけようと思っていたからですね。開業というスタートを切ったからには走り続けないといけないんで、いかに効率よく仕事をこなせるかを重視して導入しました。
  • これから開業する方へアドバイスをお願いします。
  • あんまり登記にこだわらないほうがいいと思いますね。僕も開業当初は登記にこだわって営業してたんですけど、そこしか商品がないという前提で仕事をすると、それ以外のお金をもらえる部分に頭が回らないんですよね。登記に特化する。成年後見に特化する。というのも軌道に乗って盤石の体制が築ければいいと思うんですよ。でもいわゆる用意された枠組みのなかだけで仕事をしようとすると結局限界がくると思うんですよね。柔軟な考えや視野を持って、ちょっと横を向くだけで司法書士が行える仕事って、いっぱい転がってますよ。僕もそんな大したことが言える立場ではないんですが(笑)


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