• 開業を経験された司法書士様の
    体験談をご紹介いたします。


  • 上月 規秀 様
  • 『上月司法書士事務所』
  • ■開業地:兵庫県小野市 ■合格年度:平成24年 ■開業年度:平成27年10月
    ■ホームページ:http://www.office-nkouzuki.com/
  • 生まれ育った地元で開業。
    豊富な実務経験を活かし活躍中!
  • 司法書士を目指したきっかけを教えて下さい。
  • 大学が法学部だったので「司法試験を受けようかな?」と思っていたのですが、実家が不動産を持っていた関係で、司法書士の仕事を深く知る機会があったことと、争い事が苦手な自分には法律に関わる仕事でも、司法書士の仕事の方が向いているのでは?と思ったことがきっかけです。そんなこともあり、大学卒業後は司法書士事務所に勤務していました。
  • 勤務しながら試験勉強は大変でしたか?
  • 大変でした(笑)。安定した収入もいただいてましたし、司法書士を目指す気持ちが続かない時期もありました。本当は、合格する年の試験を最後に「もう、目指すのは辞めよう」と思っていました。「これが最後の試験だなぁ」と、気持ちを楽にして試験を受けたのが良かったのか、合格できて本当に良かったです。不合格だったら、不動産屋になっていたと思います。
  • 合格直後から独立を考えていたのですか?
  • 合格してすぐは、独立するなんて考えていませんでした。ただ、合格前の従業員・スタッフという立場ではなく、司法書士として働いていくと、「自分だったらこうしたいな、こうやりたいな」という新しい視点が徐々に出てきたんですね。一通りの研修を終えて、決済の現場に行くようになって、いろいろ考えて合格から1年後くらいに独立を考え始めたんです。ただ長く勤めていたこともあって、すぐに辞めたら勤務先に支障もでてくるので、退職する1年前に勤務先には独立の意向を伝えました。勤務先の所長も、資格を取ったら独立する前提で接してくれていたので、本当にありがたかったですし、気持ちよく送り出してくれたことは、本当に感謝しています。
  • 開業を地元(小野市)ですることは決めていたのですか?
  • はい、初めから決めていました。小野市はベテランの先生方が多く、経験では及ばないにしても、行動力と若さを売りにして頑張ればなんとかなるんじゃないかと思い、地元である小野市で開業しました。金融機関の担当者が同世代の方も多くいて、その点は仕事がやりやすいです。
  • 開業に際して「困った」ことなどはありましたか?
  • 勤務時代にいろいろな経験を積ませてもらいましたので、仕事において大きく困ることはなかったです。ただ、地元に事務所用のテナントのいい物件がなかったことは想定外でした。最終的には実家の土地に事務所を建てることにしたのですが、いろいろな支払いや固定費があるなか「最初からこんなに借金背負っていいのか?」とかなり不安に思いました…。
     テナントがなくて事務所を建てることは想定外だったんですが、今後、ずっと自分の居場所というか、本拠地になる所なので、事務所設計はいろいろ考えました。どうせ建てるなら「自分のカラーを出したい。人と同じことはしたくない。」という考えもあって、和モダンをテーマに、インテリアなどはこだわりました。簡単な話はカウンターで対応しますが、長くお話する場合の来客室は和室にしました。また、事務テーブルは円形のテーブルを特注したり。事務所を建てるのは本当に楽しかったです。お金のことを考えなければ…ですけどね(笑)。
  • 以前の勤務先では、他社のシステムを使っていましたが、“権”の導入に迷いや躊躇は
    なかったですか?また、開業時にシステムを導入しない選択肢などもありますが…
  • 勤務先のシステムは操作が体に染みついてるくらいだったので、そのまま同じシステムの導入も考えたのですが、コストがかかり過ぎるのがネックで、同期に“権”を紹介してもらいました。
     “権”は商業の書式の豊富さが特によくて、好感を持ちました。あと、成年後見システム!成年後見システム、すっごく使いやすい。
     システム導入に関しては、周りからも、「開業の時から入れて、時間がある開業時に使い方を練習して、本格的に忙しくなった時に効果がでてくるから」と薦められました。開業後、数年たってシステムを導入した先生方などからは、「今までの書式をシステムに移行できないし、検索や管理が大変」と、特に薦められましたね。開業直後は、固定費としてシステム代金がかかるのは厳しいですけど、今となれば安いなと思います。逆に「このリース代でこれだけ仕事をしてもらったら本当に助かる」と思います。システムのリース代では、人も雇えないし、“権”ほど使える人材もなかなかいませんし。登記書類作成でも、事前に業者さんから謄本のFAXをもらっても、間違いを防ぐためと書類作成の効率の両面から、登記情報を取り込んで書類を作ることで、確実な書類作成ができて、信用に繋がります。開業直後は固定費の支払いがしんどく感じる時もありましたが、「システムの費用は省くところじゃない」と思います。値段以上の働きをしてくれる“権”は安いと思います。
  • これから開業する先生方に向けてひとこと
  • 開業すると勤務時代とは違う楽しさと厳しさが当然あります。司法書士というだけでなく、経営者としての視点も必要で、自分で営業をして仕事をしていかないといけない点は大変です。しかしながら、そこで、新しい人と出会えて、人間関係を作っていく楽しみもあります。「従業員」という立場では繋がれなかった人たちと繋がっていける楽しさは大きいです。また、申請1つとっても、代理人として自分の名前がでますし、報酬も直接入ってくるので、より一層、責任を持って仕事に臨まないといけないなと思います。1つの仕事に対する思い入れも全然違ってきます。勤務先に恵まれたこともあり、勤務時代も良かったです。気持ちも楽ですし、安定してサラリーが入ってくるのは本当にありがたいです。でも、勤務司法書士に戻りたいとは思わないです。開業にはそれ以上の良さがあると思っています。


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