• 開業を経験された司法書士様の
    体験談をご紹介いたします。


  • 八木 良直 様
  • 『 司法書士 行政書士 ファイナンシャル・プランニング エイト総合事務所 』
  • ■開業地:静岡県 ■合格年度:平成24年 ■開業年度:平成25年
    ■ホームページ:http://www.8-office.net/
  • 司法書士にできるワンランク上のサービスとは何か?
    開業=起業という意識で積極的に業界にチャレンジ!
  • どうやって事務所名を決めましたか?
  • 初めは「サムライ&パートナーズ」という名前を検討していたのですが、敷居が高そうで固い印象を持たれてしまうかもしれないと思い悩んでいたところ、妻が「シンプルにエイトはどう?」とアドバイスがありました。色々と悩んだ末、「エイト」には、私の名字である八木の八、末広がりの八、転んでも無限大である8(8→∞)という3つのテーマがあることが、決め手となりました。
  • 司法書士を目指したきっかけは何ですか?
  • 大学を卒業して、友人の会社の立ち上げを手伝っていた時期がありました。その時に、設立登記や増資、契約書作成などを経験していくなかで、司法書士資格に可能性を感じたのがきっかけでした。ですので、そもそもは企業支援を日常的に行うような仕事をしたいと思い、司法書士の勉強を始めました。そして、合格後1年で即開業したのですが、企業支援だけでなく、様々な案件と出会い、司法書士を目指した頃には想像できないような幅広い仕事をさせて頂いています。
  • 開業地を選んだ理由を教えてください。
  • 当時住んでいた東京で開業するか地元に戻って開業するか悩んでいたときに、東京の先輩や地元の先生の事務所へお邪魔させて頂いたところ、地元の先生方が元気いっぱいだったので、開業地としての地元に対して、とても良い印象をもつようになりました。さらに、「デザイン性が高く、開放感に溢れた広い事務所で依頼人をもてなしたい!」という想いがあったため、それを開業段階から実現するには、家賃が高い東京よりも、地元のほうが実現可能性が高いと考えるようになりました。そんな矢先に、全面ガラス張りの物件が地元で見つかり、即決してしまいました。通り沿いのガラスには、大きな「8の字(事務所名の由来)」を貼り付けて、一際目立つ雰囲気にしました。おかげで初めての方でも、迷われることなく来所して頂けています(笑)
  • 開業時の苦労話・失敗談はありますか?
  • 事務所の内装には大変苦労しました。ガラス張りを活かしつつ、日差しの熱処理を考えなければいけなかったり、インテリアの選択からレイアウトまで考えたりと、相当な時間と費用がかかりました。特に、特注の巨大な棚は、色や素材の選択をゼロからスタートしたため、完成までに2ヶ月もかかりました。金融機関には「おもてなし」の事務所であることを強調して融資を受けましたので、中途半端な内装デザインにはできないというプレッシャーがありました。無我夢中で走り続けたため、失敗したかどうかも分からないほどでした。今振り返ると、こうしたほうが良かったかな、違うやり方があったかなと思うことはありますが…。ただ、開業はある意味で「勢い」ですので、とてつもない情熱をもちながら、開業準備をしていたように思いますし、もう一度同じことをやれと言われてもできないかもしれません。そういった意味では、楽しくエキサイティングな毎日だったと今になって思います。

  • どんな思いで開業しましたか?
  • 「事務所開業」=「起業」であるという意識をもって開業しました。「起業」であるからには新しい分野にどんどんチャレンジしなければいけないと考えていましたし、今現在も進行中です。結果として色々な仕事が出来ているように思いますし、さらに新しい分野も開拓していきたいと考えています。何も司法書士業に拘る必要もなく、司法書士業を主軸としつつも、資格がなくても「司法書士ブランド」を活かせるマーケットがあれば、積極的に進出していきたいです。これからも起業家であるという自覚を持ち続けていきたいと思っています。
  • 仕事のうえで何か工夫されていることはありますか?
  • 「司法書士にできるサービスって何だろう」と考えたときに、「分かりやすい説明」を「おもてなしの精神」で行うことが頭に浮かびます。例えば、会社の設立についてご相談があったときは、パワーポイントで株式会社と合同会社の比較資料などを事前に作成し、プロジェクターで説明をするのですが、それを誰もがリラックスできる快適な空間(編注:本当にきれいでおしゃれな事務所なんです!)で行うことにより、ワンランク上のサービスが提供できていると思います。書類が正確であることは、司法書士資格がある以上当然に要求されますので、差別化ができるとすれば、「分かりやすい説明」と「おもてなしの精神」だと思うのです。
  • 開業予算はどれくらいでしたか?また予想外に掛かった出費はありますか?
  • すべて融資ではありますが、運転資金を除いた開業資金だけで700万円ほどでしょうか。予想外の出費といえばインテリアですかね。事務所が広いので、ソファや特注の棚をはじめ、観葉植物などを揃えるだけで、その費用が膨れ上がりました。さらには、棚に飾る細々したインテリア雑貨などにも拘っていたら、運転資金にまで手を付けはじめてしまいました(笑)同業からは「返済できないリスクとか、怖くない?」と言われましたが、とりあえず自分が納得いく形で開業して、ダメなら寝ずに副業でバイトをして返済していこうと思っていましたので、それほど怖さはありませんでした。
  • どうしてシステムを導入しようと思ったのですか?
  • 尊敬している先輩から「システムを使えば、ミスが減る。ミスが少なければ、信用につながる。」と言われたことが一番大きなポイントでした。なかでも、登記情報を取り込んで自動的に物件を入力できる機能は、全くと言って良いほどミスがないので、大変ありがたいですね。司法書士は信用を売る仕事ですので、ミスが続くと信用回復のリカバリーに大変な労力が掛かると思います。その労力がお金で解決できるのであれば、必要不可欠な「投資」だと思います。 さらに、「システム導入」=「時間を買う」というのも大きかったです。物件情報を手入力 している時間があるのであれば、営業や説明資料の作成など、やりたいこと・やらなければいけないことに時間を費やすことができます。費用対効果を考えると十分にお釣りがくるのではないでしょうか。開業当初から導入したことで、成長のスピードを上げることができ、早く軌道に乗せることができたように思います。
  • 開業後は順調でしたか?また転機はありましたか?
  • 半年くらいは運転資金を食いつぶすような状態でした。ただ、仕事が少なかったからこそだと思うのですが、目の前のお客様に喜んで頂こうと「こんなに手間を掛けるのか!?」というくらい時間を掛けて仕事をしていたら、お知り合いの方を紹介してくれるようになりました。ですので、転機というよりは、目の前の仕事に対して、相手の「満足」を超えた「喜び」につながるような仕事をするように心がけた結果、少しずつ仕事を頂けるようになったように思います。
  • これから開業する後輩司法書士へのアドバイスやメッセージをお願いします。
  • 今思えば、自分自身が司法書士業界にどっぷりと浸かっていなかったからこそ、既成概念に囚われない新しいコトができたように感じています。「不動産登記や商業登記を軸にしながらも、既存のサービスを再確認して、新しいサービスを再構築する」という視点を持てば、オリジナリティのある仕事ができるのではないかと思っています。 そうすることによって、登記の件数は少なくても、仕事の幅が広がるのではないでしょうか。 これから司法書士業界のマーケットを広げるためにも、どんどん新しい発想でチャレンジをして頂いて、逆に刺激を受けさせて欲しいと思います。


Page Top↑