• 開業を経験された司法書士様の
    体験談をご紹介いたします。


  • 遠藤 和法 様
  • 『遠藤リーガル司法書士・行政書士事務所』
  • ■開業地:山形市 ■合格年度:平成23年 ■開業年度:平成27年5月
    ■ホームページ:http://endo-legal.com
  • 若いから開業をためらうのではなく、
    若いからこそ開業を!
  • 司法書士を目指したきっかけは?
  • 最初は公務員の勉強をしていたのですが、勉強していくにつれ、なにか専門性の高い仕事がしたいと考えるようになり、数ある専門分野の中でも法律に興味があったので法律系の国家資格である司法書士を目指しました。当時タイミングよく行政書士試験に合格できたことも目指すにあたって勢いをつけてくれたので大きかったと思います。また司法書士は他の業種と比べ、在庫を抱えてしまうといったリスクもないのでそういう意味では開業しやすいのかなとも思いました。
  • どうやって事務所名を決めましたか。
  • 私は司法書士である妻と2人で開業したのですが、事務所名のことで揉めましたね(笑)。当初考えていた事務所名があったのですが、山形の他の先生がすでに使われておりましたのでとりあえず私の個人名の事務所名で開業しようと思ったんです。ちょうど名前に「法」の文字も入っているのでいいかなと。そしたら妻から「個人名でやるなら1人でやれば」と大反対されまして…。今の事務所名にしたのは、山形県の既存事務所は個人名が圧倒的に多いので、カタカナ横文字を入れると若い人にも新たに発信できるのではないかということで決めました。
  • 開業地を選んだ理由を教えてください。
  • なるべく競争相手が少ない場所を選びました。私は親が司法書士というわけでなく何のコネや人脈もなかったので。そこで山形市隣接自治体の司法書士1人あたりの人口比、人口増減率、年齢別人口といったデータを総合的に比較しました。また市内でも割と司法書士が少ない地域を選びました。おかげで開業してすぐにご依頼をいただいたケースもありました。
  • 20代でご開業にするにあたって不安は無かったんですか。
  • 業務に対する不安はなかったです。開業前に司法書士事務所で色んな案件を経験させて頂きましたし、業務の中でわからないことはどの段階になっても出てくるものだと思っていますので。ただ事務所経営や営業に関しては経験や知識がまったくなかったので不安でしたね。でも不安がっていても仕方がないのでそこはやるしかないと割り切って開業しました。私の場合2人で開業しましたので1人でやるよりは心強かったです。
  • 開業時に苦労したことはありますか?
  • 既存の先生がいらっしゃるなかでコネもなく、そこで依頼をもらうにはどうしたらいいんだろう、という苦労というか心配はありましたね。山形県で一番若かったですし。とりあえずは金融機関、不動産業者、他士業の先生にパンフレットを作って挨拶回りに行きました。その時は夫婦2人で登録してやっている点と若いという点が大きなメリットだと思っておりましたので必ず2人揃ってお伺いしました。1件目の依頼を頂けたのが、開業から2週間くらいでしたが、その後継続して頂けるようになるまで時間がかかったような気がします。開業当初は電話が鳴らないので鳴らないことに対する焦りがあったのをすごく覚えています。なので週の中で1番電話が少ない傾向にある水曜日になると少し安堵していました(笑)。
  • 仕事の上で何か工夫されていることはありますか?
  • 山形には若い人が少ないので、その強みを生かすため、フットワークを軽くすることを心掛けています。登記のご依頼を頂いてから申請し、納品まで3日間ということも多々ありました。相談も「無料出張相談」という形でお客様のご自宅に直接伺うことが多いです。自宅だと緊張せず話してくれるのがいいですね。事務所に来てもらうと忘れ物をする方もいらっしゃいますけど、自宅での相談だとそういう心配もありませんし。また、男性相手には緊張してしまう方もいらっしゃいますので、女性司法書士による女性専用相談窓口を設けました。あと、仕事を頂くためには信頼を得ることが一番だと思っているので、仕事の完成度を上げることは常に意識しています。その点でいうと、2人の資格者の目で細かい部分まで書類のチェックができるので2人でやっていてよかったと感じる部分です。
  • 開業予算はどれくらいでしたか?
  • 300万円くらいですかね。開業資金200万円と運転資金100万円という感じです。開業資金から車を買ったのが大きかったですね。あと行政書士も登録したので、初期登録料も大きかったです。司法書士は2人分ですしね…。しかし、他の業種でしたら開業資金で何千万円とも聞くのでやはり司法書士は資金面で言うと開業しやすい業種なのだと思います。
  • どうしてシステムを導入しようと思ったんですか?
  • 開業当初はお金もなかったので業務用ソフトは使わず、自分達で作ったひな形を使い、オンライン申請は法務省の申請用総合ソフトを使っていました。時間があるうちはそれで対応できていたのですが、依頼が徐々に増えてくると案件管理が大変になってきました。書類作成や入金管理等システムで一元的に管理し、業務の効率化を図りたいと思ったのが、システムを導入するきっかけです。数あるシステムの中から“権”を選んだのは入力自動反映機能により実務経験がない人でもある程度申請書をミスなく作れそうだと考えたからです。またLSシステムと成年後見ソフトが対応しているのも非常に魅力的でした。システムは一度導入すると他社に乗り換えするのがなかなか出来ないことや業務の質に大きく関わることから妥協すべき点ではないので、2人で納得いくものを選んだ結果“権”の導入を決めました。
  • これから開業する後輩司法書士へのアドバイスやメッセージをお願い致します。
  • 開業して一年経ちましたが、勤務のときには出会うことがなかった様々な人と出会うことができ、少し大袈裟かもしれませんが、人生の幅が広がってきているように感じます。そしてこれから5年、10年と経つにつれその深みも増してくるのだと思います。若いし不安だからと開業をためらってしまうのは勿体ないです。若いから開業をためらうのではなく、若いからこそ開業をするべきなのだと思います。仕事に対する不安はいつまで経ってもきっと無くならないと思います。私も、未経験の案件は、その都度調べたり、先輩や同期の経験者にやり方を聞いてなんとか乗り越えています。私もこれから学ぶべきことがたくさんあります。是非皆さんと共に切磋琢磨し、業界の発展に貢献できたら幸いです。


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