開業を経験された司法書士様の
体験談をご紹介いたします。
- どうして司法書士になられたのですか?
- 資格を取る前はサラリーマンとして住宅や損害保険の営業をやっていたんですが、私が社会人になった時ってバブルも終わって経済が冷え込んでいる時期で、会社の方針が急に変わったりして振り回されることもあったんですね。先輩方を見てるとすごくしんどそうだったんで、なんとなく自分の手に職をつけて生活ができるようになりたいと、妙に独立心が芽生えてきてしまったんです。
そして、せっかく手に職をということで頑張るのであれば、取れる資格の中でもチャレンジし甲斐がある一番難しい資格は何かなと見ていたら、司法書士が目についたんです。
- 開業地を決められた理由は?
- 出身は北陸の福井県なので生まれ育った地元ではないんです。
大学卒業後、東京でサラリーマンをやっていて仙台支店に配属になって宮城に来たんです。それ以来、宮城で過ごしているんですが、以前勤めていた司法書士法人が石巻に支店を出そうというときに、私行きますみたいな感じで手を挙げて働かせて頂いたことがあって。それで石巻にご縁ができて開業地に決めたという感じです。
- 事務所名はどうやって決めたのですか?
- 私より先に石巻で開業されていた弁護士事務所の「いしのまき法律事務所」に、共同事務所という形で加えていただいた経緯もあり、屋号に統一性があった方が複数の資格者でやっているのが分かりやすいかなというのがあったんですね。さらに地域に貢献してなんぼという思いと石巻地域でお客様から一番に支持していただきたいという思いを表したいというのがあって最終的に「いしのまき司法書士事務所」に決めました。
- ご開業時に大変だったことは?
- 事務所の場所やパソコン什器備品等は、弁護士の先生がほとんど整えてくださったので楽だったんですが、やっぱり独立開業して売り上げが立つのかが一番不安でしたね。
- 仕事をするにあたって工夫していることは?
- できるだけスピード感を大事にしてますね。やっぱり早いっていうのも一つの価値なので。Amazon さんとか一般の事業者さんと同じ環境・同じ社会で仕事をしている中で自分たちの業界だけは特殊なままという形ではいけないだろうなっていう意識があって、スピード感を意識しています。ただ丁寧にやることも大事で、丁寧にスピード感もってやろうとすると、仕事の時間が長くなるんですよね(笑)。
基本的には日々暗中模索で、こういう自分のスタイルでいいのかなというところを常に悩んでいます。まあそういう悩みも含めて全部自分で考えてやっていかなきゃいけないんですが、苦しいけどそういう環境に身を置きたくてここまで来てると考えると、たぶん独立開業の醍醐味を存分に満喫しているのかもしれません(笑)。
- 仕事をするにあたって大事にされていることは?
- 私の場合は、できれば自分のやる仕事が地域の社会や経済の活性化に寄与すればいいなって思っているんです。
やっぱり石巻って聞くと震災のイメージが強いので、地域活性化というのはあるのかなと思っています。震災関連のイレギュラー案件ってホントに時間かかるんですが、かといってそれを報酬に反映するとえらいことになるので、バランスを見ながらやらないといけないんですね。ただ、そこはなるべく断らないようにはしています。
この地域の難しい事件ってやっぱりイレギュラー案件の中にあるんですけど、やっぱりここで看板出している以上は仙台の先生とか他の地域の先生にやってもらうっていうのは、ちっちゃいプライドですけど違うと思うんです。
この地域で起きている問題は、ここの司法書士で解決しないとやっている意味がないし、かっこ悪いですよね。
- ご開業時の予算はおいくらくらいだったんですか。
- 運転資金で考えていたのは100万くらいだったんですけど、若干少なかったですね。倍くらいはあった方が良かったかなと思いました。
私が独立した当初は、あまり不動産って動かない時期があったりして、仕事が少なかったのと、それを差し引いても最初から売上はなかなか上がらないので、半年なり一年くらいは余裕をもって、事務所経費を払いながら自分の生活費を出せるくらいの預貯金を持っていた方が、精神衛生上よろしいんじゃないでしょうか(汗)。
- どうしてシステムを導入しようと思ったのですか。
- 元々勤務時代は他社ソフトを使っていた事務所だったので、システムありきの業務経験だったんです。ですので独立するなら何かシステムを入れようと考えていたんですね。素直に勤務時代に使って慣れ親しんだ他社ソフトを使えばよかったんですが、せっかくだからいろいろ見てみたいなと思って各社のデモを見てみたんです。
“権”の場合は他社と比べて、ひな形として装備されている書式も充実してるところが魅力的だなと感じましたね。あと当初、素人の奥さんが補助者でやっていこうというときに、“権”の入力方法は、基本的にはクエッション形式(システムからの問いかけに答えることで書類が出来上がる)なので、うちの奥さんでも入り込みやすいのかなと思いました。
ソフトの機能としては候補を2つに絞ったんですが、最終的にコスト面の問題があって。他社の方は、5年ライセンスで5年たったらまた同じような金額を支払わなければいけないという話があったんです。でもソフトって基本的に永続的に使っていくものじゃないですか?“権”の場合は、支払いが終われば一応そこで終わりということだったので、そこはもう全然比べ物にならなかったですね。5年ごとにまた同じ金額を払うといっても5万10万の話ではないので(笑)
やっぱそれだと、う~んって感じですよね。
- 今後、開業される方へのアドバイス・メッセージ
- せっかく自分が独立して経営者になるので、こういう風にサービスを提供したいという自分なりのイメージをもって独立されたらいいと思います。
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