• 開業を経験された司法書士様の
    体験談をご紹介いたします。


  • 刈谷 裕治 様
  • 『かりや司法書士事務所』
  • ■開業地:高知県吾川郡いの町 ■合格年度:平成29年 ■開業年度:平成30年
  • 人間関係を大切に地元の人達に頼られる存在になる!
  • 開業のきっかけはどのようなことでしたか?
  •  私は高校を卒業して介護用品関係の会社に9年間勤めて退職しました。それで、もともと実家が自営業をしていて兄弟があとを引き継いでいるんですけど、その影響もあったと思うのですが私自身に独立したい気持ちがずっとあって、これをきっかけに独立しようと考えたんです。その時は司法書士とか行政書士の事とか全然知らなくて、とりあえず独立できたらなんでもいいやって感じでたまたま本屋でいろいろ調べていたら、司法書士だったら在庫を持たなくってもいいと知って、これだ!と思ってそこから猛勉強を始めました。この時は司法書士の仕事の中身とかは全く調べなかったです(笑)。ほかには私自身に「ある意味父親を超えたい」というのもあったかもしれないですね。
  • 開業地はどのようにして決めましたか?
  •  開業するなら田舎より人の多い大阪や東京とかの都会の方がいっぱい仕事があるかもとほんの少しだけ考えたんですけど、前職で何カ所か県外への転勤も経験しましたし、もうそこまでしんどいストレスを抱えながら仕事をするより、地元の方がいいと考えたんです。
     地元なら実家が自営業をしていて名前を出したらすぐに誰それの息子だと分かってもらえる地盤があるのでそれを利用しない手はないなと思いましたし、親せきや知り合いがたくさんいるのでいろんな縁があってよい仕事ができるなと思って地元での開業を決めました。実際に開業後に知り合いがいなくて苦労される話はあると思いますが、そういった部分では地元で開業したおかげでそのようなことに苦労はなかったです。
     あと、地元の「いの町」を調べたところ町の人口に対して資格者の人数もちょうど良い感じがしたというのもありました。
     田舎なので商業登記は少ないかもしれませんが、地域の人達からいろんな相談をしてもらえるような存在になって、実力をつけてたくさんの問題を解決できるようになりたいです。
  • 開業地にかなりのこだわりを感じましたが、他にこだわりはありましたか?
  •  こだわりと言えばやっぱり場所になりますかね。事務所が狭いのは嫌だったので広い事務所を探したり、商店街や役所の近くなど、とにかく人が多く集まる場所の近くがいいと思ってこだわって探しました。せっかく町の中心部に事務所が見つかったので、それを利用しない手はないなと思って、看板を通りから人目につきやすくなるように大きく目立つようにして宣伝効果も狙っています。
     あと、事務所名はできるだけやわらかいイメージにしたかったというのがあって、漢字ではなくひらがなで「かりや司法書士事務所」としました。ほかには、インターネットで検索したら事務所がでてくるように、Googleさんの無料の登録サービスを使ったら翌日から検索で出てくるようになりました。事務所もストリートビューで見られたり、Googleさんで提供されている事務所写真もすぐに出てくるようになりました。ホームページがなくてもインターネットで見つけてもらえるようになったのでとても良かったです。ただ、ひらがなの事務所名にしたので、ひらがなでの名前はヒットするのですが、名前を漢字にして検索するとヒットしないので、どちらでもヒットできるようにしたいのが今の悩みです。あと事務所写真とかも新しいものをアップしたいですね。
  • 開業予算はどのように考えてましたか?
  •  私の場合は400万円程度を融資で受けて、300万円程が準備資金、100万円程を運転資金として用意してなんとかなりました。ただ、車は新しく用意しませんでしたし、機械関係や書籍は中古で購入したり譲ってもらったものも結構あるので、全部新しく用意するともっとかかっていたと思います。
     ところで話は少し変わりますが、新人研修会とかだと融資は日本政策金融公庫の説明を受けるんですけど、私の場合は地元の銀行と関係を持つことができればそのあとに仕事を紹介してもらえるかもしれないなと思ったので、地元の銀行を通して信用保証協会の保証の融資を受けました。思った通り開業前から銀行担当者と関係を持つことができたのと、開業のアピールが同時にできてとても良かったです。
  • 専用システムを導入することに関してはどのようにお考えでしたか?
  •  私は実務経験があまりないので最初からシステムを頼りにやっていこうと考えていました。
     研修は2つの事務所で受けたのですが、その研修先では専用システムを使っている事務所と使っていない事務所がありまして、システムがない場合は不動産や人の入力はどうしても自分で入力するしかなくて、本当にこれが大変で…その時の経験から自分にはシステムが必須だと考えていました。ミスするのが一番怖かったですし、チェックや作業に使う時間を他のことに使いたいとも思っていました。なので私はシステムはどんなに高くても最初から入れると決めていました。
  • 開業時に困ったことはありましたか?
  •  とにかく開業まで時間がかかったところですかね。
     最初から独立するつもりではいたのですが、合格して研修を受けて認定考査が終わるまではそれに集中しようと思っていたので、それまでは特に開業の準備はしていなかったです。で、いざ準備を始めるとやることが多くて終わりがまったく見えなかったんです。見えてきたのは事務所が決まったところあたりからですね。
     事務所探しに時間がかかるのはもちろん、回線関係も結構時間がかかります。事務所が決まってからの申込になりますので先に手配することはできませんし、申し込んでから工事やらなんやらで使えるようようになるまでにはかなり時間がかかりました…あと、準備していた正式な看板や名刺がなかなか使えない事があって、いま正に困ってます。どうしてかっていうと、私の場合は司法書士と行政書士の資格をもっているので同時に二つの会へ登録をしようと申し込みをしたんですけど、これは全国的に同じなのか高知だけなのかはわかりませんが、行政書士会の方は司法書士会の登録が完了した後じゃないと受付をしてくれないとのことで遅れての申込になりました。今は行政書士の登録待ちなので、行政書士の看板は隠していますし、名刺も別に用意したりと苦労しています。
  • これから開業される先生方へのアドバイスはありますか?
  •  アドバイスというか参考になればですが、私は実務経験があまりなかったので、分からないことがあると研修先の先生や新人研修会で知り合った同期にいろいろと相談にのってもらっています。また、普段は事務所の周りの商店に挨拶に回ったり、商工会とかの行事には積極的に参加したり、依頼してくれたお客様にはホウレンソウに注意するとか、とにかく知り合った人達との人間関係を大切にするように心がけてます。豊かな人間関係はより良い仕事に繋がるかと思います!


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