商業登記電子証明書における「リモート署名」と「ローカル署名」
※こちらのページは2026年2月現在の情報をもとに作成しています。
法務省の電子認証登記所から発行される法人代表者の電子証明書を『商業登記電子証明書』といいます。
2026年7月より、商業登記電子証明書に「GビズID」と連携したリモート署名方式が導入される予定です(詳細は法務省のウェブサイトをご覧ください)。政府のデジタル化推進に伴い、クラウド上で電子証明書を管理することで、特定の端末に依存すること無くオンライン申請を行える環境整備が目的とされています。これにより、従来の「ローカル署名方式(ファイル形式・IC カード形式)」と合わせて、利用者は自身の運用に合わせた署名方式を選択できるようになります。
本ページでは、新しく導入されるリモート署名の概要を説明のうえ、2026年2月現在運用がされているローカル署名との違いについて解説します。
署名方式の分類と特徴
商業登記電子証明書を用いた電子署名には、大きく分けて以下の2つの方式があります。
ローカル署名方式(ファイル形式):
署名鍵と電子証明書のセット(PKCS#12)を、利用者のPCやUSBメモリなどのローカル環境に「ファイル形式」で保管して署名する方式です。
- 「電子認証キット」はこの方式に対応しています。
- 「法人認証カード」をご利用の方へ:「法人認証カード」は、ファイル形式の電子証明書をICカードへ格納して便利にご利用いただくサービスのため「ローカル署名」に該当します。
リモート署名方式(新設):2026年7月より開始予定
署名鍵と電子証明書を、法務省が管理するクラウド上の安全なサーバー(商業登記リモート署名システム)にて管理します。署名時には署名アプリに表示される認可コードをスマホの「GビズIDアプリ」に入力することで署名をする方式です。
リモート署名とローカル署名の比較
リモート署名の導入後も、従来のローカル署名方式が廃止されるわけではありません。リモート署名は「選択肢が増える」ものであり、従来のファイル形式による署名、法人認証カード(ICカード)による署名も引き続きご利用いただけます。
それぞれの違いは以下の通りです。
| リモート署名方式 | ローカル署名方式 | |
|---|---|---|
| 提供・運用開始 | 2026年7月~開始 | 従来通り継続利用可能 |
| 鍵の保管場所 | クラウド上のサーバー (法務省の商業登記リモート署名システム) | 利用者のデバイス(PC/USB/法人認証カード) |
| 電子署名に必要なもの | PC、スマホ、GビズID、GビズIDアプリ、署名アプリ、リモート署名ドライバソフト、認可コード、電子証明書パスワード | PC、電子認証キット、署名アプリ、電子証明書パスワード ※法人認証カードをご利用の方はICカードリーダ・ライタも必要 |
| GビズIDの要否 | 必須 | 不要 |
| 証明書取得申請用データ作成ソフト | 法務省-商業登記電子認証ポータル(仮称) | ・法務省-商業登記電子認証ソフト(2026年7月提供・サポート終了) ・株式会社リーガル-電子認証キット(提供継続) |
| メリット | 外出先からもデバイスフリーで署名 | 署名鍵の自社管理、オフライン署名 |
リモート署名とローカル署名の最大の違いは、「署名鍵(秘密鍵)」をどこで保管し、どのように署名するかにあります。
リモート署名をご利用になる場合の注意点
リモート署名には「専用の電子証明書」が必要
リモート署名を利用するためには、 現行のファイル形式電子証明書とは別に、 リモート署名用の電子証明書を新たに取得する必要があります。現在お持ちのファイル形式の証明書をそのままリモート署名に利用することはできません。
電子認証キットとリモート署名用証明書の関係
「電子認証キット」では、リモート署名用の証明書を取得することはできません。 リモート署名用証明書の発行申請は、GビズIDを取得して法務省が提供するウェブサイト「商業登記電子認証ポータル(仮称)」から行うことになります。
なお、電子認証キットは、 引き続きファイル形式の証明書を安全に取得・管理するための専用ソフトとして機能します。
- リモート署名の詳細や申請準備(鍵ペア作成・スマホ紐付けなど)の詳細は法務省のウェブサイトをご参照ください。
証明書の発行申請フロー(リモート署名・ローカル署名)
リモート署名とローカル署名では、証明書の発行申請データの作成方法が異なります。リモート署名をご利用される場合は、発行申請書と鍵ペアは商業登記電子認証ポータル(仮称)で作成いただき、ローカル署名をご利用される場合は、発行申請書と鍵ペアは電子認証キットで作成していただきます。
それ以降の管轄登記所 (法務局)への発行申請の手順自体は変わりません。 どちらの方式を選んでも、 これまで通り「書面と鍵ペア(CD等)での提出」または「申請用総合ソフトを用いたオンライン提出」のいずれかで申請を行うことになります。
- 電子認証キットを使ったファイル形式の電子証明書の取得の流れはこちらのページでご紹介しています。
2026年7月以降の「電子認証キット」の役割
法務省がファイル形式電子証明書の取得用に現在提供している無料ソフト「商業登記電子認証ソフト」は、2026年7月に提供およびサポートが終了します。一方、株式会社リーガルの「電子認証キット」は、2026年7月以降も継続してサービスを提供いたします。

「自社で証明書ファイルを厳重に管理したい」「インターネット環境に依存せず署名を行いたい」「現行のシステムがファイル形式のみに対応している」といったニーズを持つ利用者にとって、ファイル形式のローカル署名は引き続き有力な選択肢です。
また、電子認証キットは、 証明書の暗号化保存 (電子金庫) や 有効性の確認など、独自の機能も備わっており引き続き安心してお使いいただけます。
- 電子認証キットの機能詳細は機能ページをご参照ください。
まとめ
- 2026年7月より、商業登記電子証明書による電子署名の方法のひとつとして「リモート署名」が増える
- 従来の署名方法「ローカル署名」も引き続き利用できる
- 場所を選ばない「リモート署名」か、手元で証明書を厳重に管理する「ローカル署名」か、自社の運用体制に合わせて選択してOK
- すでに持っているファイル形式やICカード形式の証明書は「リモート署名」に利用できないため、「リモート署名」をするには専用の電子証明書を取得する必要がある
- 法務省の「商業登記電子認証ソフト」は2026年7月にサービス提供終了
よくあるご質問
- Q1 「リモート署名」への切り換えは必須ですか? 必須ではありません。「ローカル署名」も引き続きご利用いただけます。
-
Q2
自分の電子証明書はどちらの方式に対応していますか?
- 「電子認証キット」にて取得された証明書:ファイル形式の電子証明書で、ローカル署名にのみご利用いただけます。
- 「法人認証カード」の証明書:ファイル形式の電子証明書をICカードに格納したもので、ローカル署名にのみご利用いただけます。
- 2026年7月までに法務省の「商業登記電子認証ソフト」で取得された証明書:ファイル形式の電子証明書で、ローカル署名にのみご利用いただけます。
- 2026年7月以降に法務省の「商業登記電子認証ポータル(仮称)」で取得された証明書:リモート署名専用の電子証明書で、リモート署名にのみご利用いただけます。
- Q3 署名のたびにインターネット接続が必要ですか? リモート署名は署名のたびにクラウド上の鍵へアクセスするため、インターネット接続が必要です。一方、ローカル署名では証明書を保管しているデバイス(PC/USB/法人認証カード)内の鍵を使用するため、オフライン環境でも署名作業を行うことが可能です。
- Q4 「リモート署名」を利用する場合、変わるのは署名方法だけですか? リモート署名には専用の電子証明書が必要になります。法務省のページをご参照いただき、証明書を取得してください。また、証明書の管理方法も異なります(次の問いを参照)。
- Q5 署名鍵と電子証明書の保管方法に違いはありますか? リモート署名方式では法務省が管理するクラウド上のサーバーに保管し、ローカル署名方式では利用者のローカルデバイス(PC、USB、法人認証カード)に保管します。
- Q6 「リモート署名」をしたいのですが、電子認証キットを利用できますか? 電子認証キットはリモート署名用の電子証明書を取得することはできません。リモート署名用の電子証明書は法務省の商業登記電子認証ポータルから発行申請をしてください。
- Q7 リモート署名方式の電子証明書とローカル署名方式の電子証明書ではどちらが安いですか? 電子証明書の取得にかかる手数料は同じです。
-
Q8
電子認証キットの利用にもGビズIDが必要ですか?
GビズIDはリモート署名方式のご利用に必要ですが、従来通りローカル署名方式をご利用いただく場合は必要ございません。
※現在、電子認証キットはリモート署名方式に対応していません -
Q9
法務省の「商業登記電子認証ソフト」で取得した電子証明書は2026年6月で使えなくなりますか?再取得が必須ですか?
電子証明書の有効期限内であれば引き続きご利用いただけます。
2026年7月以降に期限を迎えて新しい証明書を取得される際に、継続してローカル署名方式を利用されたい場合は電子認証キットにて取得いただけます。リモート署名方式に切り替えたい場合は法務省より専用の証明書を申請ください。 - Q10 電子認証キットと法務省のソフトで、取得できる電子証明書は別物ですか? 電子認証キットで取得した場合も、法務省の「商業登記電子認証ソフト」ないし「商業登記電子認証ポータル(仮称)」で取得した場合も、証明書そのものは電子認証登記所から発行されています。e-Taxや電子申請にも安心してご利用いただけます。
- Q11 「法人認証カード」を利用しているのですが、このまま利用できますか? ICカードにて電子証明書を運用する「法人認証カード」も「ローカル署名」に該当し、2026年7月以降も引き続きご利用いただけます。